子犬を迎えるまで

あんずの日記

2023年5月、アプリコットカラーのトイプードルがわたしたちの家族になりました。
名前は「あんず」
お迎えしてから約3カ月。初めての子犬ですが、笑顔あふれる毎日を過ごしています。

子犬を飼おうか、実は数年間、悩みました。
デパートのペットショップにいる子犬たちを眺めては、「可愛いなぁ」と思うものの、
それまで生き物を飼った経験がほとんどなく、命を迎えることに怖さがあったのです。

一度飼ったら簡単には投げ出せません。自分たちの生活スタイルがどう変化するのか、最後まで責任をもって飼えると約束できるのか・・・。そう考えては諦めてペットショップから離れる、その繰り返しでした。

じゃあ、何をきっかけに子犬を迎える決意をしたのか。

それは、「子どもを持たない夫婦になる」と決断したこと。

わたしたち夫婦には子どもがいません。

もともとお互いに授かりにくい体質で、30代後半に結婚したわたしたちは、そのことをお互い了承したうえで生活し、もしかしての確率で妊娠できればいいねという考えで、積極的な不妊治療もしてきませんでした。

結婚して数年経ち、いよいよ高齢出産と呼ばれる年齢になり、わたしたちは迷いました。
このまま、「いつか授かれれば・・・」という考えでいいのだろうか。
もし、運よく授かれたとしても、高齢出産による子どもへの影響はどうなのか。

そのころ、障害児リハを行う病院で働いていたわたしは、現実を目の当たりにしていました。
きれいごとでは済まされない世界。
「どんな子が生まれても絶対に育てる覚悟」がもてないのに、授かることを望んでいいのか。

高齢出産というハードルだけでなく、わたしたちにはそれぞれに持病もありました。
生涯付き合っていかなくてはいけない病気です。
子どもに遺伝する可能性もゼロとは言えませんでした。

様々な可能性を考えて、わたしたちは「子どもを持たない夫婦」として生きていく決意をしました。

そう決意したことで、金銭的な不安が少し解消されました。
子どもを授かった場合どのくらいの経済力が必要なのか、もし健康ではない子が生まれた場合はどのくらいお金が必要なのか、そのことも「育てる覚悟」が持てない原因のひとつだったからです。

そんな時、「みんなのブリーダー」というサイトで子犬を眺めることが習慣になっていたわたしは、一匹のトイプードルを見つけます。

「この子に会いに行きたい」

そう思い、ブリーダーさんに連絡。その子はとても人気な子だったようで、わたしたちが行くまでに飼い主が決まってしまうかもしれないと言われました。もしその時はその子とは縁がなかったのだと諦めて他の子犬と会わせてもらうことにし、ひとまず面会の予約だけしました。

面会当日。ブリーダーさん宅に到着すると、サイトで見ていた子犬がそこにいました。
どうやら、予約した時の会話から、わたしたちのひととなりを気に入ってくださったようで、ブリーダーさんが子犬の問い合わせをストップしてくれていたのです。

会いたかった子犬に会えたわたしたちは、その日のうちにお迎えすることを決意。
こうしてわたしたち夫婦のもとに、あんずがやってきました。

今ではすっかり我が家の一員として、家の中で一番居心地のいい場所を陣取っています。

これから、あんずが最期の時を迎える日まで、「世界で一番幸せな犬」になれるよう、たくさん愛情を伝えていきたいと思っています。
命との出会いを大切に。

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